企業誘致で人口減歯止め狙い海外貿易の玄関口に 小樽市産業港湾部【自治体の出展戦略】#23
19/08/16
小樽市産業港湾部は地元に企業を誘致するため、2019年度は「食品開発展」と「国際物流総合展」に出展する。「食品開発展」に出展する際は、「札幌臨海小樽・石狩地域産業活性化協議会」の一員として臨む。北海道庁、小樽市、石狩市、石狩湾新港管理組合、石狩開発の5団体が中心となり11年に設立されたこの協議会では、札幌圏の産業拠点となる石狩湾新港地域をPRしている。「食品開発展」に出展するのはその一環で、今年で4回目の出展だ。
石狩湾新港地域は札幌中心部から車で30分。東洋水産や花王、YKKなど約700社がこの地域に食品工場、製造工場、物流拠点などを構え、就労者数は1万5千人に及ぶ。韓国、中国、東南アジア、ロシア、欧州との貿易港としての発展も期待されている。「食品開発展」での誘致実績はないが、海外展開の窓口として興味を示す企業は少なくない。「数社と商談は進んでいる。工場建設となると、時間がかかるのはやむを得ない。小樽エリアには食品工場が並ぶので、食品系企業を誘致したい」(清水由希さん)
企業誘致に力を入れるのは、人口減に歯止めがかからないからだ。観光都市として人気が高く、インバウンド観光客は増えているが、企業誘致には定住する人を増やしたいという狙いがある。地域活性化を狙いクルーズ船の誘致にも力を入れる。現在は大型船の着岸ができないため、それに対応すべく港を整備中だ。